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刺繍

小袖と布と帯のはなし

matu 

                                         松葉紋  2011



五条HINAYAさんのショールーム2Fには帯の見本反がいっぱい置かれています
過日に友人と伺った際に 棚から出して広げて見せていただきました

美しい裂や反物たちを見るとダメですね

アドレナリン大放出です(笑)




先月末から京都文化博物館ではじまった
京の小袖展では
安土桃山から江戸末期までの 精緻な手仕事を施した
小袖がこれでもかというぐらいにその技を競うように並べてありました

初日に伺ったということもあり
本展観の監修者の切畑健さんが展示会場にいらしていて
小袖の前で覗き込んでいると 
その場でいきなりギャラリートークがはじまりました

その中で「布」とは・・現在で繊維(糸)を織って平面にしたものをすべて「布」と表現してますが
その昔小袖の出てきた桃山時代では
絹でできたきもの小袖と呼び
その他の繊維(主に麻)で織ったものでできたきものは「布子」と呼んだとか

布 とは 麻や綿(綿がでてくるのは江戸時代です)の織物のことを指し
絹織物は「布」とは呼ばず「小袖」や着物の形になっていないものは「裂」と呼んだようです



HINAYAさんで物色した反物
自分で名古屋帯に仕立てようかと実家に持って行ったら
母に 「せっかくやからちょっと何か刺したら?」
何か入れるかそのまま仕立てるか考えていたところだったので
この母の一言で 何か入れてみようと意匠を考えることに

小袖展がはじまるすこし前、京都国立博物館では
「細川家の至宝」展がはじまったところ
その中に螺鈿を施された鞍があったのです
国宝の「
時雨螺鈿鞍」と名づけられた馬の鞍
松の葉がデザイン化されそれがやけに印象に残ったんです
エレガントでかっこよくって!しばらくその前で釘付け!


その文様からインスピレーションを受けて作ったのが
この帯の文様

螺鈿のシャープな松よりももうすこしラフな感じに
ものさしを使わないでフリーハンドで描いた松の葉の文様

すこし歪んだのも洒落のうち ♪



これは布ではなかったんですね
小袖の時代にはこんな巾の広い帯もなかったし







さて帯に仕立てたら何に合わせましょうか

タノシミはつきません



刺繍

布の上のHANABI

HANABI 

                                                                                                   写真:布の上のHANABI



真夏の昼下がりのこと
過日に刺した尾花柄の帯を締めてふと気になった二条通のクラフトショップに入った

ブックカバーやバッグポーチ、スカートにカットソー
絞りの生地をメインに作られたオリジナルの商品群

なんとはなしに手にとって見ていたら店主のマダムに声を掛けられ
話に花が咲いた

何の話題からだったか忘れたが帯の刺繍の話題になり
自分で刺したと言う話から刺繍やものづくりの話題に

伺ったとき置かれていた帯地のバッグにもうちょっと手を加えられたらとと言われ
紗の菊文様の帯地を見て
「花火のようにも見えますね。すこし刺繍を入れたら花火柄みたい♪」

と話していたら

「ためしに刺してみていただけません?」

いきなり転がり込んできた刺繍依頼
うれしいやら オドロキやら 緊張するやら

今までも友だちに頼まれたりはしたことがあったもののこんなのは初めて


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

実際刺していると頭で考えているのとはイメージもちがってきて
色も刺し方も修正しつつできあがったのが上の写真

飴色の丸い取っ手のついたバッグになる予定
仕立てるとまた表情も変わってくると思います
来夏用のテキスタイルなのでバッグは来春店頭に並ぶみたい 

ワクワクドキドキ でも ちょっとコワイ 
 
評判がよければ色ちがいを作る案も

自分の手を離れた子は一体どんな未来が待っているのか ・・・

でも無事納めてほっとしたわ~


刺繍

かいきり(界切)


かいきり線
 

                              
写真:かいきり線(界切線) 

きものに合わせる帯には大きく分けて織帯と染帯があるのですが
織帯には織り終わりがわかるように「かいきり線」という装飾線が織り込まれているものがあります

それを考えるとかいきり線は仕立ての性質上袋帯にはあっても
名古屋帯にはタレの裏に隠れてしまうもの
なののかもしれないけれど・・・

先日出かけて金剛苑から連れ帰ってきた麻の絣の帯
解いて見てみたら織りっぱなしでただの長い布のよう

無くたって結べる帯なんですがあるほうが格好がいいと思うのは私の勝手な思い込み?
刺繍でかいきり線を付けることにしました

手に入れた帯は紫系の絣模様
それになじみつつ判るように桑の実色(濃い赤紫)や淡いピンクなどを撚って
太い刺繍糸を作り
駒縫で押さえました

かいきり線を仕上げた帯を眺めていたら
欲がでてきて帯のお太鼓の部分になにか模様をいれたくなってきた

何にしようかな~あれこれ考えている中で紫色でこれは夏帯なので
「桔梗」「アザミ」なんかが思い浮かんきたので

好きな琳派の作家の作品のなかになにかヒントはないかと探すことに
尾形光琳、俵屋宗達、酒井抱一、鈴木其一、に神坂雪佳

今まで出かけ求めた図録をひも解き
秋草図などからピックアップしてスケッチ
うちの家紋が桔梗だということもあって
桔梗を描いてみるもののなんだか・・・・

あれこれ物色しているうちに
ふと気が変わる

尾花(すすき)もいいかも!



尾花


                                        
 写真:尾花 2011

織目の粗い帯地なので玉糸を4本取りそれをまたよりあわせたりと
太い糸でざっくりした雰囲気で刺してみました

写真じゃわかんないけれど
ススキの穂にはキラキラ光る穂の様子をイメージしてすこし銀糸もつかってみた
色糸をより合わせて新しい色を作っていくのはたのしい

秋風が吹いて涼しげな様子に見えるといいな


刺繍

失せもの

pincushion  




調子よく作業をしていたのに
針がスルリ指先から消えたような気がしたんです 

縫い台の下から手を上げてみると
やっぱり指には針がなくなっていました。
床に落ちたのだろうと縫い台を除けて目の皿のようにして
刺繍針を探します 

が、・・・・・・ない

秘密兵器!
大きなU字磁石を取り出し絨毯の上を滑らします
大抵これでピタっと針が引っかかるのですが
今回は何もつきません

どうして!!!

もちろん針が刺さったら困ります
万が一商品(きもの)にくっついたまま納品してあとで出てきたらたいへんです

絨毯の上をコロコロローラーも転がしてみましたが出てきません

もしかして私の衣装にくっついたのかも・・

実は正座のときは洋服のときよりもきもののほうが楽なんです
かねてからふだんにもきものを着たいと思っていて
ようやく涼しくなり最近きものを作業着にしています
落としたあたり膝の上はもちろん
きものにくっついてないか見ましたがありません

触っているだけでは埒が明かないので帯を解いてきものも脱ぎました
袂の中?帯の間?

全部見たけれど見当たらない。

もう途方に暮れてました

ひとりで慌てていたら
母がこうなったらついでにもっと広範囲、床掃除をとコロコロローラー

え、!

なぜか私のいた1m以上離れた母の縫い台の下に落ちてました

落ちる瞬間手を動かしていて飛んでしまったんだろうか。。。
不思議ですが。

何はともあれ出てきてよかった

刺繍

いと

刺繍糸 



今日から新しい仕事でした
まずは刺繍糸を撚ることからはじめます

工房に使う色糸があるとは限らずそういうときは絵の具を混ぜて色を作るように
平糸(撚りの掛かってない絹糸)を合わせて作っていきます

大概はそれでこと足りることが多いのですが
どう頑張っても思うような色味にならないときもあり
今日もあれこれ試すのですが・・・

糸が古かったのかもやもや横から解けて・・絡まってもう大変
一人では収集がつかなくなり母と2人で悪戦苦闘

絡まって解いてくっついたり離れたり
なんだか人間模様をみているみたい
うまく2本撚りがかかれば美しい糸になる

あまり使わない色は用意してないこともあってどうしようもなく
いつもは仕事をもってくるMさんが用意してくれるのだけど
今回は早く欲しいので急遽わたしが買いにいくことに

糸屋さんに電話で場所を聞いてみると堀川丸太町あたりという
大手のスーツ屋さんから4軒目と言われ行ってみてもどうも見当たらない
もう一度電話で訊ねてみると北へろうじに入り4軒目でした
私は東西に4軒目だと思い込んでうろうろ・・・
何ぼ探しても見つかる訳はなかったのでした



京都のろうじ  


ついたところは一見民家
でも表札には糸屋と書いていてほっとしました

昔ながらの町屋で玄関の戸を開けるとたたきがあり
左手には一段高くなった畳の部屋が
かせ糸が棹に吊ってあったりところせましと色とりどりの平糸が積んでありました

おみせのおじさんに反物を見せてこの色とこの色を探してほしいというと
ごそごそ見ています
どうもドンピシャぴったりのものがなくて
なんとか使えそうなものを二色ひとかせずつ頂くことに

「こんなにあってもなかなか同じ色って無いものですね~」
扇風機がブンブン回る店先で話していてると
「おじさんは暑がりやさかい、ほんまあつうてしんどいわ~」
汗をふきふきおじさんは話す
もう夕方になろうとしているのに京都のど真ん中風も抜けない
ときどき居てへんし電話くれてよかったわ。よろしゅうに また来てや」

世間話をすこしして店を出た
エアコンなしの町屋・・・今年は辛いやろうなぁ

かせ糸









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Author:あふみ
京 あふみ・・・京都、近江のはざまでのつれづれ

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